知財関連コラム

知財Q&Aコーナー(43)

Q:「システムの発明」の特許性について、ポイントを教えて下さい。

A:昨今は、「システムの発明」、すなわち「ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアを用いて具体的に実現される発明」が増えています。
 ここで、「システムの発明」に関して、その特許性を判断するにあたっては、幾つかのポイントがありますが、例えば、下記のような創作は特許性が無いものとされています。

1.ある分野から別の分野への適用
  例)「医療情報検索システム」を基にして、「商品情報検索システム」に適用したもの。

2.周知の慣用手段を付加
  例)キーボード入力手段の他に、マウス入力手段を付加したもの。

3.ハードウェアで行っている機能のソフトウェア化

4.人が行っている業務のシステム化
  例)雑誌に掲載していた売買情報を、インターネットに掲載するようにシステム化したもの。

5.公知事実をコンピュータ仮想空間上で再現
  例)「テニスゲーム装置」において、ハードコート上の球速を、クレーコート上よりも速く設定したもの。

6.公知の慣習に基づく設計上の変更
  例)「電子商取引装置」において、クーリングオフ対応手段を付加したもの。

 これらの例は、いわゆる「当業者」(その分野の通常の技術常識を有する者)にとって、通常の創作能力の発揮に過ぎないため特許に値しないというのが、特許庁の見解です。

弁理士 岡村 隆志

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