知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標 商標の移転

 商標権は譲渡して移転することができます。譲渡による移転の場合、商標権者と商標権を買い取る者との間で同意があれば、譲渡証書と商標権移転登録申請書を特許庁に提出することによって商標権を移転することができます。
 商標権の移転登録申請には、収入印紙代が3万円かかり、譲渡証書には譲渡金額に応じた収入印紙の添付が必要になります。知的財産権の譲渡にかかる譲渡証書の印紙代は、譲渡金額が1万円未満の場合は非課税、10万円以下の場合は200円と金額によって印紙代が変わります。
 また、商標権移転登録申請は、商標権を買い取る側(登録権利者)と商標権を売る側(登録義務者)の双方が行うことが原則になっていますが、単独申請承諾書又は単独申請承諾書付きの譲渡証書を提出することで商標権を買い取る側(登録権利者)が単独で手続きをすることができます。
 なお、商標権が発生する前の段階、すなわち出願中の商標についても譲渡によって商標登録出願により生じた権利を移転することができます。この場合には出願人名義変更届及び譲渡証書を特許庁に提出することによって出願中の商標登録出願を移転することができます。出願人名義変更届には、特許印紙代が4200円かかります。
 このように、出願中に移転の話が出た場合にはいつのタイミングで移転するかで(出願中の方が安い)、印紙代が大きく変わってきますので、注意が必要です。

弁理士 傳田 正彦

トップへ戻る