知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標  商標「数字の登録可能性」

 商標審査基準によると数字のみからなる商標は3条1項5号に該当し、識別性が無いものとして商標登録できないことになっています。その理由は、数字自体構成上簡単なものであり、商品の品番としてばかりでなく日常普段使用されているものであるということによります。ここでいう数字には、算用数字、漢数字、ローマ数字が含まれます。
 数字から生じる音をカタカナやひらがなで表した場合には、次のように判断されます。
 (1)数字が1桁又は2桁で、例えばワンツウ、トウェルブ、じゅうに、のように表した場合、識別性無し。
 (2)①数字が3桁以上で、例えば「ワンハンドレッド アンド トウエンティスリー」、「ヒャクニジュウサン」、のように表した場合、識別性無し。
    ②数字が3桁以上で、例えば、「ワン ツー スリー」のように表した場合、識別性ありとして登録できる。
 このように、3桁以上の数字について、通常の読み方ではなく一語ずつ読んだ状態をカタカナやひらがな等で表した場合には登録可能性があります。
  以下の例は、識別性が無いとして過去に拒絶された数字商標です。「200」、「エイティーン」、「10-2-5」、「ゼロワン・01」、「バター200」、なお「バター200」は指定商品をバターとしたものであって、「バター」の部分は指定商品の普通名称に該当します。
 どうしても数字のみを商標登録したい場合には、かなりデザイン化されたロゴで出願するしかないと思われます。

弁理士 傳田 正彦

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