知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標  他人か同一人かの判断

 商標登録出願した後、審査の結果、他人の同一又は類似の先登録商標が存在する場合、商標法4111号違反として拒絶されます。
 つまり、他人ではなく同一人の先登録商標と同一・類似であれば拒絶されずに登録になります。なお、他人と表現していますが法人も含んでいます。
 では、ここでいう他人か同一人かの判断はどのようにして行われるでしょうか。通常は、住所(居所)及び氏名(名称)に基づいて、それぞれ同一であれば同一人であると判断されます。
 しかし、外国法人又は外国人の場合には、法人名又は氏名や住所の翻訳によって同一ではないケースも存在します。例えば「・・・コーポレーション」と「・・・コーポレイション」、などは同一であると判断します。また、外国の地名について略して翻訳された場合、例えば「・・・アベニュー」と「・・・エーブイ」も同一であると判断します。外国法人名について略して翻訳された場合、例えば「カンパニーリミテッド」と「シーオーエルティーディー」も同一であると判断します。
 外国法人や外国人の場合だけでなく、日本法人又は日本人の場合も該当するケースがあります。例えば、行政区画が変更になった場合があります。この場合は同一であると判断します。また、氏名に旧姓(旧氏)を併記している場合、先登録商標の方は旧姓(旧氏)のままであっても同一であると判断します。
 ちなみに、自然人の氏名については、今までは戸籍上の氏名を記載することが原則であったところ、令和3101日以降に特許庁に提出する書類には姓(氏)に続けて旧姓(旧氏)を括弧書で併せて記載することができるようになりました。

弁理士 傳田 正彦

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