知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標  地名からなる商標

 地名は、一般的にその商品の産地や販売地を表わし必要な表示であるから特定の者に独占権を付与することは妥当でなく、また現在すでに使用され又は将来使用されるものであるから識別性がないとの理由により、商標登録できません。
 しかし地名であっても商標登録できた例は存在します。ある企業が「BORMIO」の文字を、25類のバンド、ガーター、運動靴及び運動用特殊靴・・等を指定商品として出願したところ、特許庁では、BORMIOは、避暑地・ウインタースポーツ場・鉱泉で有名な「イタリア北部、ロンバルディア州北部、ソンドリオ県北東部の保養地」を表すものとして拒絶しました。
 これに対して、出願人は拒絶査定不服審判を請求して、過去に登録された「BELLAGIO」も同じイタリア北部、ロンバルディア州にある基礎自治体であり、人口規模は同程度であって、豊かな自然を資源としてリゾート化されているという点においても共通しているという点や、過去に登録された「PATAGONIA」の例を挙げて反論しました。
 この結果、特許庁では判断を覆して登録を認めました。理由としては、BORMIOが、イタリアに所在する観光地としてウェブサイトなどで紹介されているとしても、我が国の一般需要者が多数訪れるような親しまれた観光地ではないから、我が国で一般に広く知られている地名とはいい難く、指定商品の産地又は販売地を表示するものとして一般に認識されるものではなく、さらに、指定商品と関連する取引業界において、BORMIO又はそれに類する文字が、商品の産地や販売地等を表示するものとして取引上一般的に使用されている事実は発見できなかった、というものです。

弁理士 傳田 正彦

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