知財Q&Aコーナー(88)
Q:「知財経営」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
A:「知財経営」について、一言で言うことは難しいですが、販売戦略・開発戦略・知的財産戦略の整合を図り三位一体の活動を行っていくことが重要なポイントであると言えます。
「知財経営」がクローズアップされるようになった一つの径機として、2002年に知的財産基本法が成立し、「知的財産立国」が国家施策として位置付けられたことが挙げられます。また、「三位一体の経営」は、国家産業技術戦略検討委員を歴任された丸島儀一氏(元キヤノン株式会社取締役)の提唱によって広く浸透しました。
従来、企業での知的財産に対する取り組みは、事業展開における下流すなわち開発が進行して成果が出たところで、例えば特許等を出願するか否かという業務判断に留まる進め方が通常でした。これに対して、知財経営、特に三位一体の経営とは、販売戦略・開発戦略・知的財産戦略を相互に組み合わせて、経営展開していこうとするものです。
一部上場のあるエネルギー関連企業において実施された事例の紹介では、知財経営を進めるべく、組織の体制を整えるところから始めています。具体的に、「知的財産戦略会議」なる全社横断的な経営レベルのメンバーによる会議体が設けられており、その場で全社的な知財戦略や課題についての議論がなされています。さらに、その結果は適宜、本部長以上で構成される経営会議へ報告され、経営トップまでの情報の共有化を可能としています。
昨今では、権利侵害のリスクが益々高まる一方で、知財経営の重要度がさらに増しています。
弁理士 岡村 隆志









