知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標 自分で使うつもりが無い商標

 最近Jアラートによる警報を聞くようになりました。Jアラートとは、全国瞬時警報システムのことであり、政府が国民に対して緊急の警報を伝達する場合に用いられるシステムの名称です。
 ちょっと気になってJアラートが商標登録出願されているかどうか調べてみました。やはりというか、某B社が出願人となって、「J-ALERT」(商願2017-023119)、「J・ALERT」(商願2017-037314)が出願されております。
 この某B社というのは、昨年商標「PPAP」を出願したことで話題になった会社です。「PPAP」はピコ太郎氏の動画(楽曲?)の名称ですが、これを先取り的にピコ太郎氏と無関係の某B社が商標登録出願していたことで、もし某B社の出願が登録になれば、今後ピコ太郎氏は「PPAP」という名称を使用できなくなるのではないか、という論調で報道されました。結果としては、エイベックス社が出願した「PPAP」の方が登録になっており、某B社の出願は登録になっておりません。
 この某B社のような行為は、そもそも自分では使用するつもりが無いのに商標登録をし、本当にこの商標を必要とする人に商標権を売る目的であると考えられます。特にこの某B社の出願は、現在非常に問題となっており、特許庁も対応について公表しております。特許庁HP:「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ」をご参照ください。

弁理士 傳田 正彦

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