知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標 商標とは何か(2)

 商標は使用すればするほど、有名になればなるほどその価値が増大します。例えば、コカ・コーラなどは、今更別の商標にして販売しようなどとは思わないでしょう。このように、すでに有名になった商標又は一定の認知度を得ている商標については、保護すべき財産的価値があると考えられるのです。
 ある程度有名になった商標に対しては、消費者はその商標を聞いただけで、その商品(食品の場合は)の味や品質などを思い浮かべることでしょう。あの商品はとてもおいしい、あるいは値段が手ごろで買いやすいなど。このように商標には、消費者の期待ともいうべき信用が化体します。商標法では、このような商標に化体した「業務上の信用」を保護するという目的があります。
 また、生産者や販売者にとって、消費者から得た商標の信用を裏切らないように努力することが期待されます。消費者に評価されている商品は、その信用を裏切らないように品質の向上などを図るようにしているはずです。一度評判が落ちた商品又はサービスの評判を挙げることは苦労が伴うことでしょう。
 このように、商標には、その商品又はサービスについて品質を保証するという重要な機能も存在します。前回の解説では、商品又はサービスを識別することが商標の重要な機能であると説明しましたが、品質保証機能もまた商標の重要な機能の一つになります。

弁理士 傳田 正彦

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